映画を〈自分のことば〉で語るためのシネマ頭脳

本ブログは脚本家や映画クリティックで大活躍れているグラッツァー先生の実践映画批評名講義から着想を得ています。映画を〈自分のことば〉で語るためのノウハウがぎっしり詰まった『シネマ頭脳』(フィルムアート社)を初めて手にしたの大学1年生の時でした。ただの映画好きだった青年が複眼的な視点で客観的に映画を鑑賞する事を覚えたのはこの頃です。グラッツァー先生の教えはシンプルで奥が深い10カ条です。初版が2002年の12月なので18年も前になるのですが、まだまだその考えは錆びつくどころか輝きを放っています。皆さんも是非映

特捜部Q カルテ番号64

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解説
累計1000万部以上を売り上げるデンマークの大ヒットミステリー小説「特捜部Q」の映画化第4作。過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署「特捜部Q」。今回彼らが挑むのは、1980年代に起きたナイトクラブのマダム失踪事件。調査によると、ほぼ同時に5人の行方不明者が出ているという。やがて、壮絶な過去を抱える老女と、新進政党の関係者が捜査線上に浮上する。キャストにはカール役のニコライ・リー・カース、アサド役のファレス・ファレスらおなじみのメンバーが続投。「恋に落ちる確率」のクリストファー・ボー監督がメガホンをとり、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセルが脚本を手がけた。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」上映作品。

 

キャスト
ニコライ・リー・カース
ファレス・ファレス
ヨハン・ルイズ・シュミット

スタッフ
監督
クリストファー・ボー
製作
ルイーズ・ベス
製作総指揮
マリー・ゲーゼ・デネッセン

作品データ
原題
Journal 64
製作年
2018年
製作国
デンマーク・ドイツ合作
配給
カルチュア・パブリッシャーズ
上映時間
100分

 

では、映画通になるために10カ条を実践してみる。

その1

エンドクレジットが流れていくのを眺めながら、次の3つのことを思い起こしてみる。

⚫️監督の名前  クリストファー・ボー

⚫️その映画で1番良かったシーン 全て明るみに出てニーデが回想するシーン

⚫️1番良かった俳優 1960年台のニーデ役の女性

 

その2

映画館を出ながら次の3つのクエスチョンに答える。

⚫️これは今まで観た中で最も完璧な映画だっただろうか? 完璧ではない

⚫️間違いなく今まで観た中で最悪の映画だっただろうか? 最悪でもない

⚫️完璧と最悪の間で、この作品をどの辺りに位置付けるべきか?(例えば、70点以上が「かなりいい」から「グレート」までで、30点以下が「最悪」など)   最低でも100段階評価

ざっくり57点

その3

 

⚫️これは◯◯(監督名)の映画の中でベストだったか?

⚫️ワーストだったか?

⚫️その中間だとしたら、どこに位置づけるか?

 

その4

映画の背景についての2つの質問

⚫️この監督の他の作品とどこが似ているか?

⚫️どこが違うか?

 

その5

脚本についての5つの質問

⚫️この脚本家は何人の興味深いキャラクターを創りだしたか? 3人

⚫️台詞は本当らしかったか、つまり現実でも普通にしゃべるような台詞だったか? 半分半分

⚫️ストーリーの中の出来事やヒネリを先に読めてしまったかどうか? 読みづらかった

⚫️現実の世界の人間がやるようなことをキャラクターはやっているか? 半分半分

⚫️ドラマであれば、対立や苦難がキャラクターのほうから自然に発生しているものか、それとも人工的に与えられたものにしか見えないか?

 

クライマックスシーンは人工的な感じが否めない

その6

演技についての3つの質問

⚫️そのスターが前に観た別の映画と全く同じ演技を見せていた、つまりただの看板として出演していたのかどうか?

⚫️何か今までとは違うものを加えて演技の幅を広げようとしていたのか?

⚫️自分がスクリーン上のキャラクターを現実の人物として見ていたか、それともスターとして見ていたか?

 

その7

映画から発せられるパワーについての3つの質問

⚫️その映画にすっかり夢中になったか、それともポップコーンを買いに売店まで行ってしまったか?

⚫️その映画によって、あなたの人生について何か考えさせられてしまったか?

 

⚫️スクリーン上に生きる人物のことを真実だと思えるような感覚になったか?

 

その8

映画のハイライトについての2つの質問

⚫️この映画にはあとで友人たちと語りたくなるほど楽しんだ部分がどこかあったか?

⚫️その映画がリズムを作って強調しようとしていたこと、ハイライトになるようなシーンがあったか?

 

その9

その1〜その8を頭の中で整理する。

シンプルにその映画全体に対する意見を、あたかも評論家のような気持ちになって、まとめる。

 

その10

100点満点で評決を下す。

 

 

 

映画通になるための10カ条(by シネマ頭脳)

その1

エンドクレジットが流れていくのを眺めながら、次の3つのことを思い起こしてみる。

⚫️監督の名前

⚫️その映画で1番良かったシーン

⚫️1番良かった俳優

 

その2

映画館を出ながら次の3つのクエスチョンに答える。

⚫️これは今まで観た中で最も完璧な映画だっただろうか?

⚫️間違いなく今まで観た中で最悪の映画だっただろうか?

⚫️完璧と最悪の間で、この作品をどの辺りに位置付けるべきか?(例えば、70点以上が「かなりいい」から「グレート」までで、30点以下が「最悪」など)   最低でも100段階評価

 

その3

 

⚫️これは◯◯(監督名)の映画の中でベストだったか?

⚫️ワーストだったか?

⚫️その中間だとしたら、どこに位置づけるか?

 

その4

映画の背景についての2つの質問

⚫️この監督の他の作品とどこが似ているか?

⚫️どこが違うか?

 

その5

脚本についての5つの質問

⚫️この脚本家は何人の興味深いキャラクターを創りだしたか?

⚫️台詞は本当らしかったか、つまり現実でも普通にしゃべるような台詞だったか?

⚫️ストーリーの中の出来事やヒネリを先に読めてしまったかどうか?

⚫️現実の世界の人間がやるようなことをキャラクターはやっているか?

⚫️ドラマであれば、対立や苦難がキャラクターのほうから自然に発生しているものか、それとも人工的に与えられたものにしか見えないか?

 

その6

演技についての3つの質問

⚫️そのスターが前に観た別の映画と全く同じ演技を見せていた、つまりただの看板として出演していたのかどうか?

⚫️何か今までとは違うものを加えて演技の幅を広げようとしていたのか?

⚫️自分がスクリーン上のキャラクターを現実の人物として見ていたか、それともスターとして見ていたか?

 

その7

映画から発せられるパワーについての3つの質問

⚫️その映画にすっかり夢中になったか、それともポップコーンを買いに売店まで行ってしまったか?

⚫️その映画によって、あなたの人生について何か考えさせられてしまったか?

⚫️スクリーン上に生きる人物のことを真実だと思えるような感覚になったか?

 

その8

映画のハイライトについての2つの質問

⚫️この映画にはあとで友人たちと語りたくなるほど楽しんだ部分がどこかあったか?

⚫️その映画がリズムを作って強調しようとしていたこと、ハイライトになるようなシーンがあったか?

 

その9

その1〜その8を頭の中で整理する。

シンプルにその映画全体に対する意見を、あたかも評論家のような気持ちになって、まとめる。

 

その10

100点満点で評決を下す。